暑かった夏もようやく過ぎ、いよいよ映画『めがね』公開が近づきました。初日まであと2週間弱となった9月10日(月)、メイン上映館のひとつである東京・テアトルタイムズスクエアで、約300人のお客さまを招いての特別試写会が開催されました。
みなさん、めがねをかけています。 |
「たそがれどき試写会」と銘打たれた今回の試写会の開催時刻は、まさにたそがれどきの18時。仕事を終えた方、待ち合わせたお友だち同士など、さまざまなお客さまが、続々と劇場前に集まります。見ると、劇場入り口では、ひとりひとりにスタッフが何かを手渡しています。 ??? この謎解きは、のちほど……。
上映に先立ち登場したのは、小林聡美さん、市川実日子さん、加瀬亮さん、もたいまさこさん、荻上直子監督。ステージ上に集まった出演者の間にはこの日も、映画の中と同じくつろいだムードが漂っています。
まずは一同よりご挨拶。「雨も降って蒸し暑い中、お越しくださりありがとうございます。いやな天気を吹き飛ばすような映画ですので、どうぞ楽しんでいってください」とのもたいさんの言葉に、いやがおうにも期待が高まります。
この日の舞台挨拶は、出演者がかけている「めがね」の話題からスタートしました。実は4人の出演者は、それぞれ映画の中で実際に着用しためがねをかけての登場だったのです。(ちなみに監督のめがねは、10年前からの愛用品とのこと)それぞれ、キャラクターにもご本人にもぴったりのめがね姿ですが、実際にめがねが必要なのは、小林さんともたいさんのみ。普段めがねをかけていない加瀬さんからは「(かけているときとかけていないときでは)そんなに演技には差が出なかったと思いますが……でも、うまくいかないときは『めがねのせいだ』と思ったりもして」と正直なコメントが。
また同じくめがねをかけない市川さんは「カメラに視線を投げるとき、レンズの上からにしようか、横からにしようか、とっさに迷いました」と、はじめてのめがね演技の苦労を語りました。
続いて、映画の中でもとくに印象的な「たそがれ」について。
「普段、あまりたそがれることはないですね。まだそんな年でもないかな、と」と口火を切った加瀬さんに、「じゃあ私は……たそがれる年なのかな」とつぶやく小林さん。
「私は……ずっとたそがれているような……(笑)」と続けたのは、もたいさん。ロケ地でも、のんびりとしたいい時間を過ごせたと振り返りつつ、「たそがれに年齢は関係ないですね。子どもだってたそがれるときがあるし」との発言は、映画の中のサクラ同様、まさに真理をついているような。
さらに、荻上監督からは「飼い猫のひたいの匂いをかぐと、無条件にたそがれますね」と、マニアックなコメントが飛び出しました。さすが監督、こだわりのたそがれぶりです
小林さんは、ふだんから「散歩をしていて、雲の形がきれいだったりすると、つい立ち止まって」たそがれてしまうとか。こののちロビーで行われた記者会見でも「たそがれどきは、突然やってくるもの。気がついたらたそがれている……とういうのが、通のたそがれですね。それに、基本的に人に見られてはいけないものと心得るべき」と、上級者らしくたそがれの奥義を語りました。
さて、荻上監督の映画の特徴といえば、全編にちりばめられる、心に深く刻まれる名台詞の数々。映画の中で発せられた、とくに印象に残る言葉について、キャストの方それぞれに訊ねたところ、皆「もたいさん演じるサクラの言葉!」と口を揃えました。
台詞を発した当のもたいさん自身は「どうなんでしょうね……」と首をかしげつつ、「でもそれぞれの場面で、すごく核心を突いていたと思いますよ。そんな場面のオンパレードです」と秘かな自信ものぞかせました。
そして「台詞のない場面の空気感もいいですよ。とにかく、ゆっくり味わってください」とトークセッションを締めくくったのは荻上監督。公開前ゆえ今は多くを語れないのですが、ここだけの話、その言葉に嘘はありません。どうぞ劇場にお出かけの際は、ピントを合わせ、耳をそばだてて、それぞれお見逃し、お聞き逃しのないように。
トーク終了後は、いよいよフォトセッション。ここで、劇場入場前に手渡された「あるもの」の出番です。
それは、おもちゃのめがね。会場の皆さんにめがねをかけていただき、めがね姿の出演者たちと記念撮影を行おう、というのがこの夜の特別企画だったのです。
満員の客席に、めがね、めがね、めがね。中には、自前のめがねの上におもちゃめがねを装着して、ダブルめがねで挑む人の姿もあります。キャストと客席が一体になっての「めがね」大撮影会は、たくさんの笑顔とフラッシュの嵐で幕を閉じました。
ということで、たそがれの『めがね』ナイト、会場にいらしていためがね姿のお客さんたちからも、映画の感想が続々寄せられました。
会社を早退して会場を訪れた女性は「私もたそがれに行きたくなりました」とスクリーンの旅を満喫した模様。黒いシンプルなカーボンフレームが顔かたちにぴったりフィットしていたのが印象的でした。
モスグリーンのフレームの丸めがねがおしゃれな男性から。「出演者の女優さんたちのように、自分に似合うめがねをかけた女性はステキだと思う。そういう人が、ふとめがねを外した瞬間に、またぐっときちゃうんですよね」とのコメントには、めがね派のこだわりがキラリ。
「ごはんがどれもおいしそうでしたね。特にエビ!(見てない方、どうぞお楽しみに)」と声を揃えたのは、学生時代からのお友だちだという女性二人連れ。出演者のめがねの着こなし(かけこなし?)については、「めがねといえば、やっぱりもたいさんはさすが。加瀬さんのめがね男子ぶりもバッチリでした!」と合格点をくださいました。
オペラピンクのセルフレームと、透明の小さなドットの入ったやはりピンクのフレームのめがねをかけ、品川区から参加した女性二人は、この夜いちばんのめがねジェニック。『めがね』という映画のタイトルについて「(実際のめがねとの)関係があるようでない、意味深なタイトルだったね」「いや、私は、ないようであるんだと思ったよ」と仲良く議論しながら帰っていきました。
上演すんで、日は暮れて。『めがね』はまた1日、公開の日に近づきました。めがねをかけてもかけなくても、今度は皆さんが、たそがれどきの過ごし方をスクリーンの前で発見してくださいますように。
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